薬事の世界では、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品については
★製造するには許可(登録)が必要
★上市(市場に出荷する)するには許可が必要
このあたりは、だいぶ周知されてきたかも・・・と思う今日このごろ。(そうでもない?)
医薬品、医療機器の販売で許可(届出)が必要なもの
今日は販売するにも許可(届出)が必要なものについて書いてみたいと思います。
医薬品医療機器等法の第7章に「医薬品、医療機器及び再生医療等製品の販売業等」とあります。つまり、医薬品、医療機器及び再生医療等製品を販売するには原則、販売業の許可(届出)が必要です。
再生医療等製品も・・でしたね。と改めて思う今日このごろ。
「原則」とありますので、ただし書きについて以下で説明します。
医薬品、高度管理医療機器の但し書き(許可不要の販売)について
医薬品と、高度管理医療機器の但し書きについてご説明しますね。(管理医療機器も再生医療等製品も同じ理屈です)
医薬品医療機器等法(医薬品の販売業の許可)
第二十四条:
薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列(配置することを含む。以下同じ。)してはならない。ただし、医薬品の製造販売業者がその製造等をし、又は輸入した医薬品を薬局開設者又は医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者に、医薬品の製造業者がその製造した医薬品を医薬品の製造販売業者又は製造業者に、それぞれ販売し、授与し、又はその販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列するときは、この限りでない。(高度管理医療機器等の販売業及び貸与業の許可)
第三十九条:
高度管理医療機器又は特定保守管理医療機器(以下「高度管理医療機器等」という。)の販売業又は貸与業の許可を受けた者でなければ、それぞれ、業として、高度管理医療機器等を販売し、授与し、若しくは貸与し、若しくは販売、授与若しくは貸与の目的で陳列し、又は高度管理医療機器プログラム(高度管理医療機器のうちプログラムであるものをいう。以下この項において同じ。)を電気通信回線を通じて提供してはならない。ただし、高度管理医療機器等の製造販売業者がその製造等をし、又は輸入をした高度管理医療機器等を高度管理医療機器等の製造販売業者、製造業者、販売業者又は貸与業者に、高度管理医療機器等の製造業者がその製造した高度管理医療機器等を高度管理医療機器等の製造販売業者又は製造業者に、それぞれ販売し、授与し、若しくは貸与し、若しくは販売、授与若しくは貸与の目的で陳列し、又は高度管理医療機器プログラムを電気通信回線を通じて提供するときは、この限りでない。
つまり許可不要の場合があるということですね。
ここで大事なのは、「何を、誰に」販売するのかです。
パターン1:
何を:製造販売業者がその製造等をし又は輸入をした(医薬品、高度管理医療機器・・)を
誰に:(薬局解説者)製造販売業者、製造業者、販売業者(貸与業者)に・・
パターン2
何を:製造業者がその製造した(医薬品、高度管理医療機器・・)を
誰に:製造販売業者又は製造業者に
簡単にまとめると、許可業者が、自社製品を、許可業者に販売するときは許可不要という理解で良いと思います。
細かく言うと、製造業者の製品をいきなり販売業や薬局開設者に・・は、(出荷判定してないです・・)ダメですけれどね。
販売業の規制の趣旨は、一般消費者、許可業者でない法人(いわゆる薬事に関しては素人)に対して、「一定の基準を満たした者が、きちんと業務をおこなってほしい」ということだと思っています。
許可不要といえば、「化粧品の販売は許可がいるの?」とよく聞かれます。化粧品の販売については以下で説明します。
化粧品販売の許可について
「化粧品の販売をしたいのですが・・許可が必要ですか?」よく聞かれます。
私はその後に必ず、
「どのような商品なのですか?」
「どのような目的に使うのですか?」
「どのように使用するのですか?」
・・・と聞いていきます。
そもそも、化粧品でないこともありますので・・・そして「あーそれは化粧品ですね」となった後には、製造からお客様に渡るまでのフローを聞き、相談者がどの立場(役割)なのかをお伺いします。
話せば長くなりますが、簡潔にまとめると、「既に市場に出荷された後の化粧品」を販売するだけであれば、特に許可は不要です。
販売許可が必要になる化粧品
では許可が必要となる、市場に出ていない化粧品とは?
これから独自に開発し、製造する化粧品や、国内に初めて輸入する化粧品などが該当します。つまり、市場に存在していない化粧品を、市場に送り出すためには化粧品の製造販売業許可が必要です。
許可を取得した製造販売業者は、その取扱う化粧品について市場に対する最終責任者ですから、他社に製造を委託している場合や輸入している化粧品についてもその品質、安全に対して責任があります。
必要な場合には、健康被害の発生を未然に防ぎ、被害の拡大を防止するためにも製品の回収を行う必要があります。アレルギーや原材料の汚染等についても気を配り、消費者に被害が及ばないように留意しないといけないのです。
以前大手さんでは、普段と違うということが主な理由??という内容で回収されていました。有害成分、異物の混入だけではなく、「品質」に高い意識が向けられているのだな・・と感じました。
また、市場に対しての責任としては「正しい表示」も含まれます。この正しい表示がされていないことについての回収事例がとっても多いので注意が必要です。